3D図面の種類

3D図面の種類

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3D図面の種類

3D図面の種類

3D図面の種類は3種類あります。1つは3Dモデルと簡易図面、もう一つは3DAモデル(3D単独図)、最後に3DAモデル+簡易図面です。航空宇宙産業界は3DAモデル、ドイツ自動車工業界は3DAモデル、フランス自動車産業界は3Dモデル+簡易図面で運用しています。航空宇宙産業界は、金型が少なく3DAモデルを出図データとしてそのまま長期保存を行っています。ドイツ自動車工業会界は金型が多く、設計された3Dデータをそのまま利用するわけにはいきません。従って出図された3Dモデルに対して下流工程でダイレクトモデリングを駆使しPMI情報を付加している可能性があります。フランス自動車産業界も金型まで考慮すると下流工程でダイレクトモデリングを行い、簡易図面を書いている可能性があります。実際の運用方法は各社の機密情報のため不明です。簡易図面は、3Dモデルでは表現が出来ない情報、例えば寸法公差、幾何公差、加工情報などを記入した情報です。3Dモデルを正とするだけで工数短縮、製品の精度や顧客からの信頼性の向上が得られます。3D図面による3D BOM管理も簡単に行えるため、設計データのメンテナンスにより設計データのブラッシュアップによる精度向上効果が見込まれます。

3Dモデル PMI 簡易図面
1. 3Dモデル+簡易図面
2. 3DAモデル(3D単独図)
3. 3DAモデル+簡易図面

1. 3Dモデル + 簡易図面

3Dモデルと簡易図面のセットで出図する方法です。この方法は、現状運用から一歩進んだ方法でサプライチェーンが複雑な日本事情に合った方法と考えられています。複雑なサプライヤーチェーンを持つ国内では、紙図面は契約書の考え方があります。簡易図面には、公差情報と文字情報のみを記述しすることで製造現場で再利用が可能です。この方法は、3D図面化による工数削減効果がありながら現状の製造スタイルを崩さない方法で移行も容易です。簡易図面には寸法を付加しないため設計作業の工数削減効果が見込まれます。また3Dモデルをマスターデータとして取り扱うため、干渉チェック等をしっかり行い、手戻りを防ぐことが可能です。現状において設計変更の場合、図面を書き換える方法が散見され、3Dモデルとの不一致が発生します。従って手戻りが多くなり、設変作業に忙殺され、安直に2次元ベースで図面を修正し、更に手戻りが発生する負のスパイラルがあります。このスパイラルから脱して設計効率を上げるには3Dモデルをマスターとする3D図面運用を簡単に開始する方法です。


2. 3DAモデル(3Dモデル + PMI)

3DモデルにPMI情報を付加する方法です。この方法は、ヨーロッパではドイツ自動車工業会(VDA)や航空宇宙団体(LOTAR)で採用されています。ドイツ自動車業会はアセンブル情報をXMLフォーマット、B-Rep情報をJTフォーマットで3D図面化を行っています。航空宇宙団体は、CATIA V5データにPMI情報付きで3D図面化を行っていましたが、長期保存を考慮し現在は、STEP AP242で3D図面を展開し、そのまま長期保存を行っています。航空宇宙団体では、設計情報、加工情報、長期保存情報を一致させるためSTEP AP242の同一性チェック機能、すなわちGVPチェックやAVPチェックを使用しています。航空宇宙産業界の長期保存は55年体制で、部品点数も数十万点と膨大なこともあり早期に国際標準化を行っています。ドイツ自動車業会は、国際標準が決定する前に3D図面化を行い、工数削減を優先し、電気自動車開発や全自動運転車の開発を行っている経緯があります。今後、長期保存フォーマットについて国際標準に追随する動きがあります。


3. 3DAモデル + 簡易図面

3DモデルにPMI情報を付加した3D図面と簡易図面をセットで出力する方法です。検査工程を考慮した場合に3DAモデルは必要です。3DAモデルと現物を測定し比較するソフトウェアがあります。しっかりとしたサンプリング測定を行うことで金型の摩耗などを検知し予防処置を行うことが可能です。測定結果は、PMIで指示された公差に収まっているかどうかを検査することが可能です。複雑なサプライヤーチェーンを持つ国内では、簡易図面は契約書の考え方があります。簡易図面には、加工方法としてポンチ絵や文字情報のみを記述することにより、製造現場で再利用が可能です。


◆ 現在運用されている3D図面のフォーマット

● 国際標準化機構(ISO)のSTEP AP242

STEP AP242は、航空宇宙団体(LOTAR)と国際標準化機構(ISO)が連携して開発した3D図面であり、長期保存まで対応しているフォーマットです。格納情報は、Bーrep、PMI、Tessellation、GVP、AVP情報が格納できます。GVP、AVPは、変換保証を行う情報でGVPは形状変換保証(Geometry Validation Property)、AVPはアセンブル変換保証(Assembly Validation Property)です。3D図面の変換を行った場合にSTEPデータの変換保障を行うことが可能です。アセンブル情報は、XML言語によるBOM化が可能です。STEP AP242はテキストフォーマットのため、PDMがなくても文字列検索が容易に行うことができます。唯一の欠点は容量ですが、圧縮フォーマットが開発されていて拡張子は、*.stpZです。


● シーメンス社のJTフォーマット

ドイツ自動車工業会(VDA)で使用されているフォーマットでJT Openで一般化を進めているフォーマットです。格納情報は、B-Rep、PMI、Tessellationです。Tessellation情報は、粗さを変えて3段階の情報を格納できます。アセンブル情報は、XML言語によるBOM化が可能です。中身はParasolidフォーマットですが、同じParasolidカーネルそ使用しているCADでも転送しやすいCAD、またはし辛いCADがあります。これはParasolidに曖昧な表現があるために発生する問題です。弊社は、ドイツ自動車工業会にならい3D EvolutionでParasolidを標準化してJT出力を行っています。JTフォーマットには変換時の変換保障機能はありません。現時点でドイツ自動車工業会は変換されたJTデータをマスターデータとしています。出図されたJTデータをチェックする機能はありますが、必要な情報が格納されているかどうかのチェックツールで、形状が正しく変換されたことをチェックするツールではありません。


注意)3次元CADフォーマットの生データによる3D図面はリスクがある

3D図面の目的は、全体的な工数削減と設計資産の保全を計ることです。3次元CADのネイティブフォーマットで3D図面を運用した場合に、3次元CADの維持コストが発生します。また3次元CADメーカの統廃合により設計資産が継承されに難くなります。