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成功例について

◆ 成功例の概要

近年、製造業界における製品設計や生産の効率化と質の向上を目指して、3D図面の採用が進められています。その最先端を行くのが、航空宇宙産業の巨人エアバスと自動車産業のリーダー、ダイムラーであり、両社はそれぞれ異なるアプローチで3D図面を導入している。

エアバスの場合、3D図面作成にはCATIA V5という先進的な設計ソフトウェアを使用しています。製品の形状だけでなく、製造情報やその他のPMI情報も3D図面に組み込むことができるのがCATIA V5の特徴です。そして、このデータはISO標準であるSTEP AP242形式で出力されることで、長期的な保存や他のシステムとの互換性も確保されます。

一方、ダイムラーはJTフォーマットを活用しています。自動車製造は非常に複雑であり、各部品の要件が多岐にわたるため、設計全体の一貫性を保つことが求められます。そのため、Solid Edgeを使って、JTフォーマットの3D図面にさまざまな設計情報や生産技術の要件を追加しているのです。

これらの3D図面を利用することで、製品の実際のサイズや形状、そして設計時の公差との照合が可能となります。これによって、製品の品質や安全性の確保が一層強化されます。

また、3D図面の具体的な利用方法やその効果をより深く知りたい方のために、3D Evolutionや3D Analyzerといったソフトウェアを参照することをおすすめします。これらのツールは、3D図面の分析や最適化のプロセスをサポートし、製品設計の質を一層高めるための有効な手助けとなります。

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2023年10月

◆ エアバスの3D図面変換と長期保存の最新動向

エアバス社は航空機製造のリーダーとして、製品設計の質と効率を高めるための革新的な手法を取り入れてきました。特に3D設計の領域での取り組みは、その先進性がうかがえるものです。

長らくエアバスは、CATIA V5を主要な3D設計ツールとして使用してきました。このツール上で詳細な設計情報であるProduct and Manufacturing Information(PMI)を付加し、そのデータを3D図面として利用していました。さらに、これらの情報を長期保存するため、STEP AP242という国際標準フォーマットに変換してきました。

しかし、2016年9月からはこの変換プロセスが変更されました。新たな方法では、CATIA V5で直接作成されたPMI付きのデータが、中間フォーマットを経由せずに直接STEP AP242で保存されるようになりました。この変更は、国際規格10303-62をベースに進められ、その正確性を確保するために、ISOのGVPとAVPによる製品データ同等性検証が取り入れられました。この取り組みによって、エアバスの設計データは、55年以上の長期にわたって保存されるようになりました。

この長期保存のための変換プロセスでは、ダブルカーネルチェックという手法が採用されています。この手法では、二つの異なるカーネル、すなわちCATIA V5と「3D Evolution」が用いられています。変換の際には、アセンブリ情報を初めに取得し、これをXML形式のstpxにてBill of Materials(BOM)へと変換します。その後、個々の部品の形状情報が順番に変換されることで、大量の部品データが3D図面に変換され、さらに長期保存に適したフォーマットで保存されます。

この進化した変換と保存の方法により、エアバスは設計データの正確性と持続性を保ちつつ、設計から製造までの効率性を大いに向上させています。これは、エアバスが業界のトップに立つ理由の一つとも言えるでしょう。

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2023年10月

◆ ダイムラー社の3D図面運用とその業界への影響

自動車産業は、設計技術の進化とともに絶えず変化し続けています。その中でもダイムラー社の取り組みは、業界の先端を走るものとして注目を浴びています。

ダイムラー社が現在、NXを主要な3次元CADツールとして採用していることは多くの人々に知られています。このNXと、JTフォーマットという汎用的な3Dデータフォーマットの組み合わせは、業界の中でも画期的な取り組みといえるでしょう。JTフォーマットには、データの同等性をチェックする機能が存在しないため、ダイムラー社は、変換されたJTフォーマットを信頼性の高いマスターデータとして活用しています。

また、過去にはCATIA V5を使用していたダイムラー社が、NXへと主要なCADツールを変更したことも大きな話題となりました。この変更が、3D図面の制作や出図工程に影響を与えなかったことは、3D図面技術の進化とその互換性の高さを示しています。この柔軟性は、技術の変遷や企業のニーズに応じて、設計ツールを変更する可能性をもたらしています。

この3D図面の取り組みによって、ダイムラー社は設計から製造までの時間を劇的に短縮することができました。この時間の短縮が、革新的な新プロジェクト、例えば電気自動車や完全自動運転車の研究開発に更なる時間を割けるようになったのです。事実、2016年に設計から製造までの時間を半減させた成果が現れ、2018年には新型Eクラスをはじめとする新車種の発表がありました。

このように、3D図面の効果的な運用は、自動車業界における技術革新の推進力となっており、ダイムラー社のような大手企業の競争力強化にも大きく寄与しています。

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Source: JT Format (ISO 14306) and AP 242 (ISO:10303) By ProSTEP

2023年10月