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種類について

◆ 種類の概要

3D図面の技術は、さまざまな産業分野で多様な形式で使用されています。3Dモデル、簡易図面、3DAモデル、3DAモデル+簡易図面といった形式が存在し、それぞれが特定の産業や要件に応じて選択されます。

航空宇宙産業では、3DAモデルが主流で、この分野では金型の利用が少ないため、長期保存や出図データとして3Dモデルが直接用いられることが多いです。このアプローチにより、効率的に高品質な製品を開発することが可能となります。

一方、ドイツの自動車産業では、直接使用されるCADデータの作成が困難であるため、3DモデルにPMI情報を追加するダイレクトモデリングのアプローチが採用されることがある。これにより、製造プロセスを考慮した最適な3Dモデルの利用が実現されます。

フランスの自動車産業界も似たようなアプローチを取りながら、簡易図面の作成を優先します。簡易図面は、3Dモデルだけでは伝えることが難しい詳細な情報を追加するためのものであり、これにより更に高い精度の製品製造が可能となります。

3D図面は、BOMの長期保存の考慮を含め、その一貫性を保つためにAP242XMLを使用することができます。これにより、製品のライフサイクル全体での一貫性と効率性が保たれ、高品質な製品の開発と製造が支援されます。

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3Dモデル PMI 簡易図面
1. 3Dモデル+簡易図面
2. 3DAモデル(3D単独図)
3. 3DAモデル+簡易図面

2023年10月

◆ 3Dモデルと簡易図面のセット出図法:日本の製造業における新たな取り組み

1. 3Dモデル + 簡易図面

日本の製造業のサプライチェーンは複雑で、設計から製造までのプロセスは多岐にわたります。この背景を踏まえ、3Dモデルと簡易図面のセットによる出図方法が日本の事情に合った、効果的な手法として注目されています。

このアプローチでは、伝統的な紙の図面、特に契約文書としての役割を果たすものに加えて、公差情報や文字情報だけが記載された簡易図面が提供されます。製造現場ではこの簡易図面が活用され、具体的な作業指示や検証の際の参考資料として利用されるのです。

主な利点として、まず、設計作業の工数が大幅に削減される点が挙げられます。具体的な寸法情報を簡易図面に記載する必要がないため、効率的な作業が可能となります。加えて、3Dモデルが主要な情報源、すなわちマスターデータとして用いられるため、詳細な干渉チェック(Collision)が行え、設計ミスやそれによる後からの手直しを大幅に減少させることができます。

現行の方法では、設計変更が生じるたびに図面の書き換えが求められ、その過程で3Dモデルと図面間の不整合が生じることが考えられます。このような問題を解消するための有効な手段として、3Dモデルと簡易図面のセット出図法が提案されています。これにより、日本の製造業は更なる効率化と品質向上を実現することが期待されます。

2023年10月

◆ 3D図面とPMI情報の融合:ヨーロッパの先進的取り組み

2. 3DAモデル(3Dモデル + PMI)

ヨーロッパの産業界、特にドイツの自動車産業や航空宇宙産業において、3D図面とPMI情報の融合は、製造工程の効率化とデータの一貫性の確保に寄与しています。

VDAにおいては、3D図面へのPMI情報の組み込みが一般的に行われています。特に、アセンブリ情報をXMLフォーマット、そしてBrep情報をJTフォーマットで取り扱い、これらの情報を直接3D図面に組み込むことで、製造現場での作業指示や品質検査などが迅速かつ効率的に行えるようになっています。

一方、航空宇宙産業においては、長期保存の観点から、より堅牢なデータフォーマットの採用が進められています。かつてCATIA V5を主体に活用していた時期もありましたが、現在ではSTEP AP242を用いて3D図面を展開し、これを長期保存の基盤としています。さらに、STEP AP242の持つGVPチェックやAVPチェックといった機能を活用し、設計情報と加工情報、そして長期保存情報の一貫性と正確性を確保しています。

航空宇宙産業のような、複雑かつ長期にわたる製品ライフサイクルを持つ産業では、データの持続性と一貫性が極めて重要です。このため、先進的なデータ管理の手法と国際標準化の動向を積極的に取り入れ、業界全体のデータ品質と効率を高める取り組みが進められています。

2023年10月

◆ 3D図面とPMI情報の統合:製造と検査工程の効率化

3. 3DAモデル + 簡易図面

近年の製造業界において、3D図面とPMI情報の統合は、製品の設計から製造、そして検査に至るまでの一連の流れを大きく変革しています。特に、製造や検査工程をより正確かつ効率的に進めるための手法として、3DモデルにPMI情報を付加した3D図面と簡易図面の併用が注目を集めています。

3DAモデルと特定の測定ソフトウェアの組み合わせは、製造工程での検査が簡素化され、精度も向上します。具体的には、3DAモデルを参照しながら製品の寸法や形状を測定することで、公差範囲内での製造精度を確認することができます。金型の摩耗や製品の公差範囲外の偏差などの問題を早期に検知することで、その原因を特定し、適切な対策を講じることができます。

一方、日本の製造業界のような複雑なサプライチェーンを持つ場面での簡易図面の役割は、極めて重要です。3D図面に代わる簡易図面は、製造現場での作業手順や加工方法を明確に示すための指南書としての役割を果たし、ミスの予防や作業効率の向上に寄与しています。

これらの取り組みにより、現代の製造業界は、より迅速かつ高精度な製品の製造を実現しています。製品の品質向上と生産効率の最適化のためのこれらの手法は、今後の製造業界における標準的な運用として定着していくでしょう。

2023年10月