設計データ運用に重要な情報

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設計データ運用に重要な情報

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3次元CADが普及して40年が経過しました。その間にOSの変更やCADバージョンの変更があり、設計データの維持管理に困難を極めています。そのような状況でヨーロッパでは、30年前からCADデータの品質検査を行い、CADデータ修正、CADデータ変換のトラブル解決を行っています。現在では、CAD環境がなくてもCADデータを読み取る方法や、CADデータを長期保存するフォーマットが開発され運用されています。


バイナリー解析技術

下図は、CADの生データとParasolid、JT、Acisなどエキスポートデータの関係図です。一般的に3D図面では、アセンブル情報と形状情報を取り扱いますが、CADのバージョンアップやバージョンダウンでは、フィーチャー情報や図面情報を取り扱う場合もあります。バイナリー解析技術とは、CADの生データ、つまりバイナリー情報を読む技術です。バイナリー情報は、1と0で記述されある桁数で区切るとある意味を持つ情報です。情報の中には高次方程式で記された曲面情報がナーバスやベジェだったりします。それらの曲面上の範囲を囲ってフェイスを表現し、フェイスの集合体を指定されたトレランスを用いてソリッド化しています。その情報は、B-Repと呼ばれていて各CADの共通概念です。必要な情報を読取るため3D Analyzerや3D Evolutionのバイナリー解析技術は、必要な情報の頭出しを行い読み込みます。そのため大半の情報は読み飛ばし必要な情報を読み込むため読込み時間が早くなります。また頭出し処理を行うためヘッダー等が壊れたCADでは読めない情報を読むことが可能です。CADのバージョンアップした場合でもB-Rep情報に大幅な変更は無いため直ぐに対応可能です。CADのB-Rep情報が安定した場合は、CADの生情報を直接保存します。B-Rep情報が安定していない場合は、少し古めのエキスポートフォーマットや中間フォーマットに出力します。このバイナリー解析技術は、設計資産の継承や製造プロセスの簡略化による工数削減効果が得られます。それらの効果は、CADメーカに依存することなく継続が可能です。このバイナリー解析技術によりISO(国際標準化機構)と一緒にSTEP AP242を開発に成功しました。STEP AP242は、航空宇宙産業界の3D図面と長期保存フォーマットとして採用されています。その場合に変換元のCADデータと同一性が求められ、同一性チェックをCATIA V5と3D Evolutionでダブルチェックを行い3D図面として運用しています。

バイナリー解析技術

Advanced Repair Technology

各3Dデータの形状表現には特徴があります。例えばソリッドやサーフェイスを形成するための位相トレランスやアセンブル構成の深さに違いがあります。自動車産業で用いられているCATIA V5とNXの位相トレランスは、CATIA V5は0.1mm、NXは0.0254mmです。位相トレランスは、それ以上の誤差があるとソリッドやサーフェイスが形成できない誤差です。従ってCATIA V5で、そのままSTEPデータを出力してもNXでは受け取りにくいデータとなります。NXの位相トレランスは、0.0254mmなので受け取りにくい範囲は0.1mmから0.0254mmの範囲内の誤差です。ドイツ自動車工業会は、1980年代より、このことを考慮ししてCATIAの位相トレランスを0.02mmに設定して運用しています。所謂、Model Dimension 2000です。従いましてドイツ自動車工業会のPDQの隙間チェックの推奨値は0.02mmとなっています。非常に論理的な値を採用しています。3D Evolutionは、位相トレランスを指定された範囲内に収めるため、フェイスをヒーリングステッチングで修正して指定されたインターフェイスに出力します。CADにてディスプレイに表示されている形状に位相トレランスを確認することは出来ません。何故ならばCADシステムを運用する上で認められた誤差として表示データにより、隙間なく表示されるからです。アセンブル構成も階層が深いアセンブルをフラット化、マルチボディをアセンブル化、アセンブルをマルチボディ化、同一形状をインスタンス化することで変換先システムにアセンブル構成を合わせることができます。この3Dデータ修正テクノロジーは、STL等のファセット変換に有効です。3Dプリンターのエラーが発生した場合に変換されたSTLデータを修正するより、元データの面構成をクリアにしてSTL変換を行う方が理に敵っています。Advanced Repair Technplogyは、3Dデータを修復する時に、サーフェイス属性の変更を行うことなく3Dデータを修復します。このことは、修復された3Dデータを使用する場合にアセンブル拘束や加工における様々な条件に対応することが可能です。

3Dデータ変換

3Dデータの最適化

日本国内では、約80%の企業が3Dデータ変換のトラブルを抱えています。ヨーロッパでは3Dデータを変換して3D図面運用や長期保存を行い成果を上げています。なぜヨーロッパでは、3Dデータ変換のトラブルが少ないのでしょうか?3Dデータ変換のトラブル原因は、トレランスと幾何情報にあります。ヨーロッパは、40年前から3Dデータ変換のトラブル対策を行い、10年前に解決し、現在は3D図面や長期保存を行っています。3Dデータ変換のトラブルを解決できれば、設計データを中間ファイルに保存し、BOMとしての活用、CADの違いによる設計部門と製造部門の垣根がなくなり、共通の3Dデータを使用することが可能となり、工数削減に繋がります。3Dデータ変換のトラブル原因である、トレランスと幾何情報の原因と解決策、3Dデータの適正化の説明を行います。

トレランスと幾何情報の最適化


3Dデータの国際標準化

■ フォーマットの国際標準化(ISO 10303-242)

1980年台から3次元CADデータの品質が問題視されPDQ概念が生まれ検査ソフトが誕生しました。ところがPDQが普及すると独自の基準や独自のツールが誕生して同じような検査項目でも検査するシステムにより成否判定が変わりPDQへの信頼が失墜しました。そこで国際標準機構(ISO)は、ドイツ自動車工業会(VDA)で運用されているPDQチェックをベースしたPDQチェックを機械語で定義しました。これがPDQ-Sです。従って同じアルゴリズムを搭載したPDQチェックツールでは同じ結果が得られ安定化させることができます。さらに国際標準化機構では、3D図面や長期保存に対応する国際標準フォーマットとしてSTEP AP242を完成させています。このフォーマットは、NurbsやBézierなどことなる数式の情報や、PMI、表示データ、同一性チェック項目が保存可能です。またアセンブル情報はXMLフォーマットで保存され部品表となります。このSTEP AP242は、航空宇宙産業界(LOTAR)で運用されている実績があります。CADデータを中間フォーマットに変換するため同一性チェックは重要です。この同一性チェックは基本的にマスプロパティ計算結果で行うため、マスプロパティ計算のアルゴリズム統一が必要となります。アルゴリズムは、国際団体CAx-IFから供給されています。そのアルゴリズムを搭載済のシステムは、CATIAと3D_Evolutionです。

STEP AP242

■ PDQチェックの国際標準化(ISO 10303-59)

かつてPDQチェックツールが乱立し、アルゴリズムが違うため、PDQチェックツールが異なるとPDQチェック結果が違い、PDQチェックに対する信頼性が揺らぎました。そこで国際標準化機構(ISO)がPDQチェックのアルゴリズムをドイツ自動車工業会(VDA)のPDQチェックを参考に機械語でPDQ検査方式を定義し評価基準を定め混乱を収束させています。


■ 同一性チェックの国際標準化(ISO 1033-62)

STEP AP242の同一性チェックは、様々な検証項目を設けて3D図面変換時に行っています。同一性チェックでは、一般的に体積や表面積などマスプロパティ情報が一致する必要があります。ところが各3次元CADメーカのアルゴリズムがバラバラなため、マスプロパティ値が一致しません。従って国際団体CAF-IFは、アルゴリズムを開発し、そのアルゴリズムをダッソー社とCT Coretechnologie Groupは採用しています。そのアルゴズムで得られた値をSTEP AP242の中に記述します。検証するときは、STEP AP242の形状を測定して得られる値と記録された値を比較することで同一性チェックが可能となります。エアバス社の3D図面は、同一性チェックをダブルカーネルチェック、CATIA V5と3D Evolutionで行っています。エアバスの同一性チェックは、EB9300(欧州規範9300)に則り行われています。

同一性チェック

3D図面の運用ツール

世界で運用されている3D図面ツールは、主にCADデータをSTEP AP242やJTフォーマットに3D図面変換を行う3D Evolution、3D図面の検証を行う3D Analyzer、3D図面に対して加工パスを作成するhyperMILLです。これらのツールは、3D図面で成功したエアバス社とダイムラー社で使用されているツールです。3D Evolutionと3D Analyzerの特徴は、国際標準化機構(ISO)のSTEP AP242の開発に協力し、STEP AP242に対応済です。基本的なエンジンは、バイナリー解析技術によりCADファイルがあれば簡単に様々な3Dデータに変換できます。3D Analyzerは、豊富な3D図面解析ソフトにより現場で加工準備の手助けを行います。hyperMILLは、得意な5軸加工と積層加工のハイブリット加工により金型を使用しないで製品を作成することが可能です。これらソフトウェアは、インダストリー4.0の最終目標であるオンデマンド生産をすることで労働時間を減らし製品の利益率を上げ、労働者に利益を分配するためにあります。

3Dデータ活用