3Dデータ標準化

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3Dデータ標準化

3Dデータ標準化について

◆ 3Dデータ標準化の概要

3D図面データの世界的な動向は、製造業のグローバルな連携とデータ交換の効率化を推進する上で非常に重要です。品質基準とフォーマットの標準化は、このプロセスの核心をなすものであり、エアバス社やダイムラー社などの先進企業によって推進されています。

3D図面データの品質基準を定義するPDQ-S(ISO 10303-59)は、データが設計意図を正確に反映し、異なるCADシステム間で正確にやり取りされるための重要なステップです。PDQ-Sにより、エンジニアやデザイナーは製品の品質と、製造までの過程でのデータの完全性を保証することができます。

フォーマットの面では、LOTARが推進するAP242XML+STEP AP242とVDAが採用するAP242XML+JTフォーマットの選択は、それぞれの組織が推進する業界標準への対応を示しています。AP242XMLは、製品データの表現と交換のためのXMLスキーマです。これにより、多様なソフトウェア環境でも互換性が高まり、データ交換の手間が軽減されます。

エアバス社がCATIA V5からSTEP AP242にエクスポートするプロセスは、航空宇宙産業において幅広く採用されているCADソフトウェア間の高い互換性を保証し、製品データの交換をスムーズにします。一方で、ダイムラー社のNXからJTフォーマットへのエクスポートは、自動車産業におけるParasolidカーネルをベースとしたデータの効率的な交換を促進します。

さらに、3D図面データの効率的な運用によって、2D図面の制限を超えた表現とプロセスの高速化が可能になります。CADデータはビジュアル化が容易で、設計の意図が直感的に理解され、作業の速度と正確性の向上が期待できます。

このように、3D図面データの標準化は、異なるソフトウェアとハードウェアプラットフォーム間での互換性と効率性を大幅に向上させ、国際的な製造業界のコラボレーションを促進します。これは、製品開発サイクルの加速とコスト削減に大きく貢献し、グローバルな競争において企業の位置付けを強化することにつながるでしょう。

2023年10月

◆ 3D図面データ成功の鍵

3D図面データの成功とその永続的な普及には、変わりゆく技術の潮流に左右されず、時間を超えて適用可能な普遍的な基準の確立が不可欠です。この基準を確立するには、複数の重要な要素を考慮しなければなりません。

第一に、CADソフトウェアに依存しない3D図面への変換プロセスが必要です。CADシステムは頻繁にアップデートされ、場合によっては全く新しいシステムへの移行が求められます。加えて、使用しているCADソフトウェアのメーカーがビジネスを停止する可能性もあります。これらの変化により、変換結果が異なってしまうと、製造工程や後続の作業が滞るおそれがあります。こうした問題に対処するため、バイナリ解析によるCADデータの読み込みが有効です。この方法であれば、CADデータに顕著な変更がない限り、読み込み時に問題が生じることはほとんどなく、長期にわたって安定したデータの利用が可能になります。

第二に、3D図面データのトレランス設定は極めて重要です。ここでは、Parasolidが定める0.0254mmの標準トレランスよりもやや緩い0.02mmを基準としています。日本の自動車工業会(JAMA)が推奨する0.01mmの設定も考えられますが、より緩やかな0.02mmのトレランスでは変換時のCADデータの修正が少なくなるため、現実的な運用ではこの基準が推奨されています。しかし、0.02mm以下の細かいディテールが存在する場合、変換自体は成功しても、ソリッド化のプロセスでエラーが発生する危険性があります。このようなエラーを生じやすい部分を識別するためにPDQ-S(10303-59)が用いられます。

PDQ-Sは、VDAチェッカーという、30年以上にわたってドイツ自動車工業会(VDA)によって使用されてきたシステムを基にしています。このチェッカーを機械語に変換することで、ソフトウェア間の差異に起因する測定方法の違いによる混乱を防ぎます。機械語での定義によって、品質基準が一貫性を持ち、永続的な解釈が可能になります。トレランスを0.02mmに設定し、PDQ-Sに準拠することで、変換結果の一貫性を未来永劫にわたって保証できると言えるのです。このようなシステムの確立によって、3D図面データは製造業界全体での長期にわたる利用が可能となり、変換結果の信頼性と品質の維持が保証されます。

2023年10月

◆ 3Dデータ標準化まとめ(55年、安全と安心の保障体制)

- 3D図面のトレランスは、0.02mmで統一

- 品質検証は、PDQ-S(10303-59)、同等性検証は10303-62で統一

- 3D図面フォーマットは、アセンブルはAP242XML、形状はSTEP AP242で統一

2023年10月

※ PMIは変換できれば良いのでそれほど重要ではなく、検討資料が見当たらない

2023年10月