10303-59 品質検証(PDQ-S)

10303-59 品質検証(PDQ-S)

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〒130-0013 東京都墨田区錦糸1-2-1

10303-59 品質検証(PDQ-S)

10303-59 品質検証(PDQ-S)について

◆ 10303-59 品質検証(PDQ-S)の概要

CADデータの品質適正化プロセスは、製品設計から製造業界における各フェーズでのデータの位相構成の正確性と一貫性を保証するために極めて重要です。このプロセスは、CADデータの変換時や後続プロセスでのエラーや障壁を排除し、高品質な製品開発を支えます。

プロセスは数々の専門的手順により構成され、最初の段階である「10303-59 品質検証(PDQ-S)」では、CADデータが持つ位相構成の適切性をチェックします。ここでの重点は、Brep(Boundary Representation)が適切に構築されているかの検証です。Brepは3Dモデルの表面を定義するために使用されるデータ構造で、モデルの各面、エッジ、頂点を詳細に記述します。この段階で不具合が見つかれば、品質適正化(PDQ-S)のプロセスが施され、不要な微小な面を取り除くことで、より清潔で整理された位相構成を作成します。

しかし、この修正プロセス自体が新たな誤差を生じさせる可能性があります。そこで、「公差チェック(Tolerance)」が実施され、位相構成要素間の隙間やオーバーラップといった誤差を特定します。これらの誤差は、ヒーリング(ART)を通じてエッジの補正や、ステッチング(ART)でエッジをつなぎ合わせることで修正されます。

現代技術を駆使することにより、これらのプロセスの多くは自動化されています。CADデータのバッチ処理は、大量のデータを効率的に処理し、自動的に修正する機能を持っています。しかし、自動化プロセスでは対応できない課題も存在し、それらは専門家によって手動での修正が必要です。

最終的には、これらの手順を経て修正されたCADデータは、製造や解析などの様々な用途に適した、高品質な3D図面データとして完成します。このプロセスを経ることで、CADデータの信頼性が大幅に向上し、エラーによるコストや時間の無駄が削減されます。高品質なCADデータは、製品の安全性、性能、および市場への迅速な導入を可能にし、結果的に企業の競争力を高める要因となります。品質適正化プロセスは、設計の精度を高めるだけでなく、製造プロセスの最適化にも寄与し、最終製品の品質保証に不可欠なものです。

10303-59 品質検証(PDQ-S)

2023年11月

10303-59 品質検証(PDQ-S)の入力について

31 Inputs CAD-Interface.
CADインターフェース 拡張子
CTデータ *.ct
*.cta
*.ctp
3DEXPERIENCEデータ *.3dxml
Acisデータ *.sat
*.sab
AP242XMLデータ *.stpx
*.stpxZ
AutoCADデータ *.dwg
CADDSデータ _pd
_ps
CATIA V4データ *.model
*.dlv
*.exp
*.session
CATIA V5データ *.CATProduct
*.CATPart
CATIA V6データ *.3dxml
Creoデータ *.asm
*.prt
*.xas
*.xpr
*.neu
Euklidデータ *.edx
FBXデータ *.fbx
iCADデータ *.x_t
*.x_b
I-Deasデータ *.arc
*.unv
*.asc
IFCデータ *.ifc
IGESデータ *.iges
*.igs
Inventorデータ *.iam
*.ipt
JTデータ *.jt
MicroStationデータ *.dgn
NXデータ *.prt
Optimizerデータ *.csb
PLMXMLデータ *.xml
Rhinocerosデータ *.3dm
RobCADデータ *.rf
Parasolidデータ *.x_t
*.x_b
*.xmt_txt
Solid Edgeデータ *.par
*.asm
*.psm
SolidWorksデータ *.sldasm
*.sldprt
*.asm
*.prt
STEPデータ *.step
*.stp
STEP AP242データ *.step
*.stp
*.stpZ
VDAデータ *.vda
VisiCADデータ *.wkf

2023年9月

PDQ-Sプロファイルについて

◆ プロファイルの概要

PDQ-Sは、CADデータの品質を評価し、その精度と完全性を確保するための重要なプロセスです。このプロセスを効果的に行うためには、適切なプロファイル項目の選定と、それに関連するしきい値の設定が必要です。このしきい値は、取引先や自社の設計ルールに応じてカスタマイズされることが多いため、一貫した品質を確保するために保存されたプロファイルの再利用が求められます。

特に、隙間のしきい値に関しては、業界標準のParasolidカーネルを採用しているCADメーカーのトレランス値、すなわち0.0254mmを基準として設定されることが多いです。しかし、この値を過度に厳格に設定すると、不要なエラーが大量に検出されるリスクがあるため、実際の業界実務ではより実用的なしきい値として0.02mmが欧州で30年以上前から採用されています。

このため、「3D Evolution」や「3D Analyzer」のような先進的なツールでは、この0.02mmをデフォルトのしきい値として採用しています。このデフォルト値は、国際標準化機構(ISO)の推奨値と一致しているため、これを採用することで国際基準に準拠した品質検査を行うことができます。

これらの点を考慮すると、PDQ-Sのプロファイル項目としきい値の設定は、設計データの品質と国際基準への適合を確保するための重要な要素であると言えます。

PDQ-Sプロファイル

2023年10月

▼ PDQ-S項目:カーブ(CU)

微小要素(G-CU-TI) 0.02 mm
微小セグメント 0.02 mm
微小相対セグメント 0.001
重複要素(G-CU-LG) 0.02 mm
G1不連続(G-CU-NT) 2 °
G2不連続(G-CU-NS) 50 %
次数(G-CU-HD) 6
ノット距離(G-CU-IK) 0.001
自己干渉(G-CU-IS) 0.02 mm

2023年10月

▼ PDQ-S項目:サーサーフェス(SU)

微小要素(G-SU-IT) 0.02 mm
微小セグメント 0.02 mm
微小相対セグメント(G-SU-RN) 0.001
G1不連続(G-SU-NT) 2 °
G2不連続(G-SU-NS) 50 %
次数(G-SU-HD) 6
ノット距離(G-SU-IK) 0.001
自己干渉(G-SU-IS) 0.02 mm
微小境界(G-SU-DC) 0.02 mm
微小曲率(G-SU-CR) 0.0001 mm
隣接辺の最小角度(G-SU-DP) 5 °
折れ目(G-SU-FO) 120 °
パッチ数(G-SU-FG) 200
捩じれ面(G-SU-WV) 90 °

2023年10月

▼ PDQ-S項目:サーフェス(FA)

微小要素(G-FA-TI) 0.02 mm
微小エッジ 0.02 mm
重複要素 0.02 mm
自己干渉エッジ(G-FA-IS) 0.02 mm
エッジの近接(G-FA-RN) 0.02 mm
エッジの弧数 50

2023年10月

▼ PDQ-S項目:トポロジー(SH)

フリーエッジ(G-SH-FR)
G0不連続(G-SH-LG) 0.02 mm
G1不連続(G-SH-NT) 2-10 °
G2不連続(G-SH-NS) 50 %
ナイフエッジ(G-SH-SA) 175 mm

2023年10月