10303-59 品質検証(PDQ-S)

10303-59 品質検証(PDQ-S)

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10303-59 品質検証(PDQ-S)

10303-59 品質検証(PDQ-S)について

◆ 10303-59 品質検証(PDQ-S)の概要

「10303-59 品質検証(PDQ-S)」は、製品設計データの品質を向上させるための国際的に承認されたプロセスです。このプロセスは、国際標準化機構(ISO)、航空宇宙団体(LOTAR)、ドイツ自動車工業会(VDA)などの著名な国際組織によって開発および認証されています。これにより、製品設計データのエラーや問題点を初期段階で特定し、修正するための基準が設定されています。

PDQ-Sの核心となるのはバイナリ解析技術の利用です。これによって、大量のCADデータを迅速かつ正確に解析し、潜在的なエラーや問題点を特定し、修正のための適切な指針を提供することが可能になります。結果として、設計データの品質と整合性が向上し、製造プロセスにおけるエラーや問題が減少します。

ISOの10303-59規格は、PDQ-Sの品質チェックアルゴリズムを機械語で定義しています。これにより、評価結果の一貫性が保たれ、データの標準化が確実に行われます。これは、3D設計図の利用、長期保存、および型式認証プロセスにおいて重要です。

日本の製造業界では、10303-59 品質検証の採用率が低いと指摘されていますが、このプロセスの適切な実施により、国際基準に準拠した高品質な設計データを提供し、企業の生産性と効率性を向上させることが期待されます。

「10303-59 品質検証(PDQ-S)」は、製造業界における設計データの品質と一貫性を保つ上で非常に重要な役割を果たしており、その価値と必要性が増しています。このような国際的な基準の採用は、製造業界におけるグローバルな競争力の強化にも寄与すると考えられます。

2023年10月

◆ 10303-59 品質検証(PDQ-S)の特徴

- 航空宇宙団体LOTARの型式認証データ品質検証ソフト

- 世界で唯一、国際標準化機構(ISO)のPDQ-S(10303-59)による品質検査を実行

- PDQ-Sのエラー項目は、品質適正化(PDQ-S)で修正

2023年10月

◆ 大幅に出遅れた日本のPDQーS

日本の3次元設計業界において、「PDQ-S」(10303-59 品質検証)の一般的な採用が進んでいないことは、国際的な設計基準との整合性を欠いているという重要な問題を示しています。過去に市場に登場した多数のPDQ-Sツールが、ツールごとに異なる検査結果をもたらしたことが、PDQに対する信頼性の低下を招いてしまいました。

これに対応するため、国際標準化機構(ISO)は、ドイツ自動車工業会(VDA)のVDAチェッカーをベースに、「10303-59 品質検証(PDQ-S)」のアルゴリズムを機械語で標準化しました。この取り組みにより、異なるツールを使用しても同じ基準での検査結果が得られるようになったのです。

しかし、日本自動車工業会(JAMA)が独自の基準を持っていることが、ツールの統一や国際基準への準拠を難しくしています。国際的には、ISOのPDQ-Sが広く受け入れられており、特に「3D Analyzer」や「3D Evolution」などのツールはこの基準に従って使用されています。これらのツールを利用することにより、多くの企業は3D図面の効率的な運用とコスト削減を実現しています。

この状況から、日本の3次元設計業界においてもISOのPDQ-S基準に準拠した「10303-59 品質検証(PDQ-S)」の採用を進めることが、設計品質の向上と国際基準への適合のために非常に重要です。PDQ-S基準に準拠することにより、日本の3次元設計業界は国際的な認知を高め、設計データの国際的な流通と共有がスムーズになることが期待されます。また、LOTARの型式認証においても、PDQ-Sの実施は必要不可欠な要件となります。これにより、日本の製造業界が国際市場での競争力を高めるための重要なステップとなることは間違いありません。

2023年10月

10303-59 品質検証(PDQ-S)の入力について

31 Inputs CAD-Interface.
CADインターフェース 拡張子
CTデータ *.ct
*.cta
*.ctp
3DEXPERIENCEデータ *.3dxml
Acisデータ *.sat
*.sab
AP242XMLデータ *.stpx
*.stpxZ
AutoCADデータ *.dwg
CADDSデータ _pd
_ps
CATIA V4データ *.model
*.dlv
*.exp
*.session
CATIA V5データ *.CATProduct
*.CATPart
CATIA V6データ *.3dxml
Creoデータ *.asm
*.prt
*.xas
*.xpr
*.neu
Euklidデータ *.edx
FBXデータ *.fbx
iCADデータ *.x_t
*.x_b
I-Deasデータ *.arc
*.unv
*.asc
IFCデータ *.ifc
IGESデータ *.iges
*.igs
Inventorデータ *.iam
*.ipt
JTデータ *.jt
MicroStationデータ *.dgn
NXデータ *.prt
Optimizerデータ *.csb
PLMXMLデータ *.xml
Rhinocerosデータ *.3dm
RobCADデータ *.rf
Parasolidデータ *.x_t
*.x_b
*.xmt_txt
Solid Edgeデータ *.par
*.asm
*.psm
SolidWorksデータ *.sldasm
*.sldprt
*.asm
*.prt
STEPデータ *.step
*.stp
STEP AP242データ *.step
*.stp
*.stpZ
VDAデータ *.vda
VisiCADデータ *.wkf

2023年9月

PDQ-Sプロファイルについて

◆ プロファイルの概要

PDQ-Sは、CADデータの品質を評価し、その精度と完全性を確保するための重要なプロセスです。このプロセスを効果的に行うためには、適切なプロファイル項目の選定と、それに関連するしきい値の設定が必要です。このしきい値は、取引先や自社の設計ルールに応じてカスタマイズされることが多いため、一貫した品質を確保するために保存されたプロファイルの再利用が求められます。

特に、隙間のしきい値に関しては、業界標準のParasolidカーネルを採用しているCADメーカーのトレランス値、すなわち0.0254mmを基準として設定されることが多いです。しかし、この値を過度に厳格に設定すると、不要なエラーが大量に検出されるリスクがあるため、実際の業界実務ではより実用的なしきい値として0.02mmが欧州で30年以上前から採用されています。

このため、「3D Evolution」や「3D Analyzer」のような先進的なツールでは、この0.02mmをデフォルトのしきい値として採用しています。このデフォルト値は、国際標準化機構(ISO)の推奨値と一致しているため、これを採用することで国際基準に準拠した品質検査を行うことができます。

これらの点を考慮すると、PDQ-Sのプロファイル項目としきい値の設定は、設計データの品質と国際基準への適合を確保するための重要な要素であると言えます。

PDQ-Sプロファイル

2023年10月

▼ PDQ-S項目:カーブ(CU)

微小要素(G-CU-TI) 0.02 mm
微小セグメント 0.02 mm
微小相対セグメント 0.001
重複要素(G-CU-LG) 0.02 mm
G1不連続(G-CU-NT) 2 °
G2不連続(G-CU-NS) 50 %
次数(G-CU-HD) 6
ノット距離(G-CU-IK) 0.001
自己干渉(G-CU-IS) 0.02 mm

2023年10月

▼ PDQ-S項目:サーサーフェス(SU)

微小要素(G-SU-IT) 0.02 mm
微小セグメント 0.02 mm
微小相対セグメント(G-SU-RN) 0.001
G1不連続(G-SU-NT) 2 °
G2不連続(G-SU-NS) 50 %
次数(G-SU-HD) 6
ノット距離(G-SU-IK) 0.001
自己干渉(G-SU-IS) 0.02 mm
微小境界(G-SU-DC) 0.02 mm
微小曲率(G-SU-CR) 0.0001 mm
隣接辺の最小角度(G-SU-DP) 5 °
折れ目(G-SU-FO) 120 °
パッチ数(G-SU-FG) 200
捩じれ面(G-SU-WV) 90 °

2023年10月

▼ PDQ-S項目:サーフェス(FA)

微小要素(G-FA-TI) 0.02 mm
微小エッジ 0.02 mm
重複要素 0.02 mm
自己干渉エッジ(G-FA-IS) 0.02 mm
エッジの近接(G-FA-RN) 0.02 mm
エッジの弧数 50

2023年10月

▼ PDQ-S項目:トポロジー(SH)

フリーエッジ(G-SH-FR)
G0不連続(G-SH-LG) 0.02 mm
G1不連続(G-SH-NT) 2-10 °
G2不連続(G-SH-NS) 50 %
ナイフエッジ(G-SH-SA) 175 mm

2023年10月